台湾が実効支配する金門島の沖合で2月、台湾の海巡署(海上保安庁に相当)の追跡を受けた中国漁船が転覆して乗組員2人が死亡した事故をめぐり、中台双方は30日、台湾側が2人の遺体や漁船を返還し、遺族に慰問金を支払うことなどで合意した。台湾の行政部門で対中政策を担う大陸委員会が同日発表した。
台湾の中央通信社によると、台湾の海巡署幹部は同日、追跡時の映像を記録していなかったことを遺族に謝罪した。大陸委員会幹部は中国海警局が7月に拿捕(だほ)した台湾漁船の乗組員らについても報道陣に「一刻も早く帰ってくることを希望する」と述べたという。
一方、中国国営新華社通信によると、双方はこの日、合同の告別式を執り行い、関係者が焼香や献花をした。遺族に付き添った赤十字社の代表は「2人はやっと故郷に帰れる。遺族は謝罪を待ち望んできた」と述べた上で、台湾当局に事件の「真相公表」や関係者の処分を求めた。
対話の細さ、浮き彫りに
台湾メディアによると、双方…