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中国側との合意について会見する台湾の行政院大陸委員会の邱垂正主任委員=2024年7月30日、大陸委がネットで中継した会見動画から
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 台湾が実効支配する金門島の沖合で2月、台湾の海巡署(海上保安庁に相当)の追跡を受けた中国漁船が転覆して乗組員2人が死亡した事故をめぐり、中台双方は30日、台湾側が2人の遺体や漁船を返還し、遺族に慰問金を支払うことなどで合意した。台湾の行政部門で対中政策を担う大陸委員会が同日発表した。

 台湾の中央通信社によると、台湾の海巡署幹部は同日、追跡時の映像を記録していなかったことを遺族に謝罪した。大陸委員会幹部は中国海警局が7月に拿捕(だほ)した台湾漁船の乗組員らについても報道陣に「一刻も早く帰ってくることを希望する」と述べたという。

 一方、中国国営新華社通信によると、双方はこの日、合同の告別式を執り行い、関係者が焼香や献花をした。遺族に付き添った赤十字社の代表は「2人はやっと故郷に帰れる。遺族は謝罪を待ち望んできた」と述べた上で、台湾当局に事件の「真相公表」や関係者の処分を求めた。

対話の細さ、浮き彫りに

 台湾メディアによると、双方…

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